2007/04/17 火

がんばれ道新

北海道新聞(道新)Webサイトの見てくれ(ユーザインタフェース)が4月から変わって、多少は今風になった。
でも、本質的なところは変わっていない。その代表が、本紙に掲載された記事が、すべてWebに載っているわけではない、という点だ。

「そういえばこの話、新聞にあったなー。あれどんな内容だっけ」と思ってWebサイトに行って検索をかけても、既に掲載終了になっていたり、そもそも掲載されていなかったりする。

しかたがないので、いわゆる「データベースサービス」に加入しようかとも思うが、これが高い。
個人・法人の場合、月525円で本文30本まで。写真や図表も合わせて…と思うと「切り抜き」は1本105円する。法外なコストである。
固定制料金なら月31,500円にハネ上がり、もはや個人が払う額ではない。(しかも切り抜き105円は据え置き)
こんなものは「サービス」でもなんでもない。

例えば図書館まで足を運んで縮刷版のコピーをとると思えば安い、ということかも知れないが、それは20年前の論法だろう。

「ネットで稼ぐ」の意味が変わって来ている。大昔のオンラインデータベースサービスの時代は、情報は高価なものだった。接続/検索/取得に、個人では手が出ないほどの「課金」は当たり前だった。

ひるがえって今はどうか。インターネットのコストは限りなくゼロに近づき、ニュースや論評なども必要とあればタダで手に入る。なにか知りたい時に、道新でなければならない必然性は弱まっている(そもそも、道新の情報の質は必ずしも高くない)。
情報のあり方そのものが変化しているのである。

そこで(競合優位化のために)重要になるのは、いかなる「サービス意識」を持つかであって、ネット上の情報を絞り、新聞にいったん掲載された情報に二重課金することではあるまい。
「リアル」な媒体は、「ネット」とコラボする関係にあるべきで、別の稼ぎ口と考えるのはいかにも時代錯誤である。

情報活用のしかたや発想が古いのではないのか北海道新聞!
と思っていたら、デジクリの神田氏がいいことを言っていた。

新聞も同様だ。産経新聞の「IZA< http://www.iza.ne.jp/ >」や佐賀新聞の「ひびの< http://www.saga-s.co.jp/ >」などが先進的に「情報共有」を意識したつくりになってきているが、大半の新聞は、人々がせっかくブログにとりあげ、丁寧にリンクを貼っているにもかかわらず、その元記事となる情報を完全に削除してしまう。削除するくらいなら、ネットに上げるなと言いたい!

それがデータベースで情報を売るために記事を削除しているのだとすると、とんでもない話だ。データベースは有料で新聞を購読している人には、無料にすべきだろう。朝刊に本日のみ有効のパスワードを印刷しておけばいいことだと思う。データベースの利用料を購読者にも求めるのもおかしな話だ。運用費用は、購読していない人たちから徴収すべきだ。購読している人がいるからこそ、広告も成り立つビジネスモデルなのである。

■KNNエンパワーメントコラム 新聞はこのままではMOTTAINAI/神田敏晶 : 日刊デジタルクリエイターズ

禿同である。
(「パスワード」システムだと、本日のパスワードを毎日Webにアップするヤカラも出てくるかも知れないが)

簡単に言えば、Webサイトの目的は「課金」ではなく「囲い込み」にした方がいい。すなわち、北海道民への情報サービスである。地方発信の地域媒体としての生存価値はそこにある。

いわゆる「四媒体」(TV、ラジオ、新聞、雑誌)の中で最も命脈を保っているのを強いて挙げるならば新聞だと思うが、この旧弊な考え方を160度くらい改めなければ、社会から乖離して行くばかりだろう。
インタフェースだけ刷新しても意味がないのだ。

2007/04/16 月

言われる前に

…書いておくけど、ええ、今日はヒマです(^^;)。
三カ月に一回というエアポケット週間。
(昼過ぎまでは仕事してたんだけどねぇ)

2007/04/16 月

夕張の選挙

統一地方選の後半を迎え、夕張の市長・市議会議員候補が告示された。
周囲がどう考えているかではなく、夕張の市民がどう考えているかを知るという意味で、たいへん興味がある。

個人的な興味の延長ではあるが、なんと!高校時代の同級生が市議選に立った。
Dくんである。

正直言って、在学中は特に話をした記憶もないのだが(別クラスだったので)、先日親しく話した限りでは、いい感じの正義漢だった。

彼はいう、「今の夕張にした人たちがほとんどを占める市会議員の選挙にがまんできなかったこと、お年寄りを代表する市民の人たちの憤懣やるかたない気持ちを、なんとか市政に届けたい」ので立候補を決めた、と。

ごく当たり前の感性だし、立派な志だと思う。
当たり前をきちんとやり通すことが今の世の中で最も尊いのである。

応援してるぞ!!
(言うだけじゃなくて具体的に応援したいが、選挙活動というものをしたことがなくて、どうするのがよいか分からない。せめてこうして微文で)

*
余談だが、「あれっ?」と思って調べてみたら、「公示」は衆参通常選挙で使われる言葉で、他の選挙では「告示」というらしい。(参照
知らんかった…orz。

2007/04/16 月

シマゲジ風雲録

シマゲジ風雲録―放送と権力・40年
というわけで、

シマゲジ風雲録―放送と権力・40年」(島桂次)文藝春秋

を読んだ。
往年のNHK会長の自伝である。

Wikipediaによると、島氏が会長を辞任したのは1991年というから、私も(とっくに(^^;))社会人になっていたが、当時の様子はオボロにしか覚えていない。独断専横とか、女性(同伴)問題で責任を追及された、かなりコワモテで腹黒いおじさん、というイメージしかなかったような気がする。

読んでみると、その強引さはヤハリ鼻につきつつ、かなり痛快な本でもあった。(もちろん当事者が一方的に書いている本なわけだから、事実関係の理解には一定の差し引きが必要だろうけど)

なにより、氏が早くからマルチメディアやビデオジャーナリズム、地球の時差を利用したGNN(Global News Network)の必要性などに着目していたその柔軟性と先見性には驚かされる。

NHKの構造改革に積極的に取り組んだ点でも、歴代会長の中では異色のようだ。
中でもNHKエンタープライズを始めとする関連団体の設立はこの人の発案だという。(NHKのリソース=番組を、日本/世界のリソースとして活用する、またNHKの自立、(郵政主導の)巨大化への歯止めなどの意図があったという…逆に利益の囲い込みのニオイも感じるわけだが)
波の整理(チャンネルを減らせ、と言ったらしい)もつとに言い出していた。
NHKの「親方日の丸」体質や利権の跋扈の様子なども、かなり赤裸々に描き、歯がみしている。

NHKの中では突出して開明的であり、超改革派なのであった。

政治部記者として(というか結局性格と能力がモノを言ったと思うが)養った政界との極太のパイプを軸にした仕事っぷりも痛快そのものである。

そのキャラクターゆえに敵も多かったわけだろうけど、その才能は惜しまれるべきだろう。

2007/04/16 月

憲法是か非か

私は9条あったればこそ、日本というひ弱な国がこのような苛酷な国際環境の中で、かくも繁栄しつつ生き延びることができた根本条件だったと思っている。
9条がなければ、日本はとっくにアメリカの属国になっていたろう。あるいは、かつてのソ連ないし、かつての中国ないし、北朝鮮といった日本を敵視してきた国家の侵略を受けていただろう。
9条を捨てることは、国家の繁栄を捨てることである。国家の誇りを捨てることである。9条を堅持するかぎり、日本は国際社会の中で、独自のリスペクトを集め、独自の歩みをつづけることができる。
9条を捨てて「普通の国」になろうなどという主張をする人は、ただのオロカモノである。

改憲狙う国民投票法案の愚 憲法9条のリアルな価値問え - ビジネススタイル - nikkei BPnet

改憲について立花隆氏が胸のすくことを言っている。

改憲派の論拠のひとつに、特に「9条」が「アメリカから押しつけられたもの」という点があるが、これは実は議論の一方の見かたに過ぎない(幣原喜重郎(つまり日本側)が発案したという説もある※)。それに、自発的なものか押しつけかは結局どちらでもよい、現行憲法の価値をこそ問え、という内容である。

※ちょうど「落日燃ゆ」(城山三郎)という本を読み終えたところなんだけど、城山氏は「幣原発案説」に立っている。(心からの平和への期待である)

私は、この国際テロ時代に当時の枠組みのままでよいのかなぁと思う一方、専守防衛・戦争放棄の理念は絶対に捨ててはいけないと思っている。
仮に「戦争」と「防衛」とを峻別できるならいいとも思うが(スイスみたいに)、それはムリだし、今の政府与党には毛頭ない考え方だろう。

ところで「落日燃ゆ」ではまた、「統帥権」を分離し、軍部の暴走を許した大日本帝国憲法を「長州が作った憲法」として批判している。

長州と言えば、
「私も伝統ある長州出身の政治家として、命がけで頑張りたい」(出馬時の地元での決意表明)
「戊辰戦争では迷惑かけた」(会津での応援演説)
「同じ長州につながるものとして、血が騒ぐ」(映画「長州ファイブ」を観て)
などとアナクロニスチックなことを言っている、あの現職総理大臣の系譜である。

いつの間にか「省」に格上げされていたり、重要な法案も数をもって押し通そうとしたり、愛国心を法律で謳ったりすることは、実は「美しい長州」のためではないのか。

少なくともそういう人は日本国憲法について語って欲しくない。

2007/04/13 金

AACGain

本日ふと(というかこちらのコメントを拝読して)、AACGainのことを思い出した。

iPod(もしくはiTunes)で音楽を聴くときに、あらかじめ、曲によって音量の変化を気にしなくていいようにできるというあのソフトである。

配布しているサイトを久しぶりに覗いてみると、当時1.3だったヴァージョンがいつの間にやら1.5に上がっているではないか。

さっそくダウンロードしてみた。(インストールはまだ)

取りあえず添付のreadme.txtを見ると、面白いことが書いてある。

AACGainを使う前に、あなたのミュージック・ファイルをバックアップすること!実験ソフトであり、過去にファイルを破損したことがあるが責任は取らんぞ!という注意事項はそのままだが、モンダイの記述はその下である。

「iTunesミュージックストアで購入した被DRMファイルはサポートしていません。貴殿はそれらをCD-ROMに焼き、再びiTunesにインポートすることによって .m4a フォーマットに変換するか、アンダーグラウンドな方法のひとつを使ってロスレスに .m4a に変換するよろし」

以前のバージョンでは確か「iTunesミュージックストアで購入したファイルは扱えません」と書いてあったが、進化したようだ(笑)。

へへぇ~、ですな。
アングラツール、発見した方はぜひ教えてください。

(2007/4/16追記)

某筋から情報をいただきました(笑)。
アングラといっても、フツーに公開されていますが。

なんでも、被DRMファイルが再生される際のQuickTimeの振る舞いを掠め取ってうんちゃら…というソフトだそうな。
へへへぇ~~。
感心する、呆れるを通り越して、背筋が冷たくなりますな、ソフトウェアの世界。

2007/04/13 金

憲法は変わるのか

衆院憲法調査特別委員会は十二日、憲法改正手続きを定める国民投票法案の与党修正案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。野党側は「審議不十分」として採決に反対したが、与党側が押し切った。与党は十三日の衆院本会議で可決、参院に送付する方針。同法案は五月中旬にも成立するのが確実で、最長で二期六年の自民党総裁任期中の憲法改正を目指す安倍晋三首相の政権下で、戦後の憲法制定以来、改憲への扉が初めて開くことになる。
特別委での可決について、首相は「相当長い議論、深い議論をしてきた。その結果いよいよ採決の時が来た」と早期成立に期待感を示した。一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「憲法改正が現実になった時、今回の強行採決が汚点として残る」と批判した。

政治 北海道新聞

いったい、議論は尽くされたのだろうか。
充分議論されたのなら、なぜそのプロセスが「強行採決」なのだろうか。
そういう風にして決められるべき案件ではないだろう。

アベ君の暴走を、國民は止めたいところである。

と思っていたら、田原聡一朗さんがたいへん面白いことを言っている。

統一地方選は盛り上がらなかった。石原慎太郎さんをはじめ、現職は9人全員が勝った。都知事選も、浅野史郎さんがもっと激しく追撃するかと思ったが、追撃できなかった。
新聞などでは、浅野さんが石原さんに対して争点を明確にできなかったと批判している。
だが、争点を明確にできなかったのではなくて、実は争点がなかったのではないか。
浅野さんがどうこうという問題ではなくて、時代が、一言でいうと「戦時」から「平時」に変わったのだ。

盛り下がった都知事選に石原慎太郎が大勝した意味 - ビジネススタイル - nikkei BPnet

“平時”なんである。
この指摘が正しいのかどうなのか。改憲を國民は望むのか。
というか日本國民はどの程度利口なのか。
参院選が試金石となりそうだ。

2007/04/11 水

松坂は礼をする


(c)スポーツ報知
ピッチャー松坂はけっこう好き。
なぜかというと、投球フォームのバランスが素晴らしいから。見ていてスカーっとします。
世の中には変なフォームで投げている名ピッチャーも多いのですが、そういう人は窮屈で息苦しく思えてしまいます。ま、無くて七癖ですから別にいい/悪いではありません。

その松坂、アメリカでも、グラウンドでお辞儀をしますね。するんですが、気恥ずかしげに、周囲の目を盗むように、一瞬だけちょこんと下げます。
海外でお辞儀をする日本人というのは、いかにもかっちょ悪いんですが、別にかっちょ悪く思う必要はないんですね。日本の文化習慣なんだから、堂々と、キチっと、頭を下げればいいんです。

そういえば、たまたま今日NYTの記事を眺めていますと、「ボストンの打撃練習が終わったところで、松坂と岡嶋がイチローに駆け寄り、30秒ほど話した。日本の文化では、相まみえた時に若いプレイヤーが年長のプレイヤーに敬意を表するのが普通である」みたいな記事がありました。
アメリカではそうじゃないんですか?(トシだけが基準になっている…と言いたいのか?)

ま、そういうのもある意味日本の美風だと思いますけどねぇ。

2007/04/09 月

統一地方選(結果)

まずは順当だったようで。

道知事ははるみちゃん(自民等推薦)、札幌市長は上田氏(民主等推薦)と両現職。ともに圧勝と言えるくらいの得票での当選でした。ま、納得の結果です。

全国的に見ると、知事選では自民系現職が強かったようです。大きな変化は求められていないのか…。東京も、思いもかけない圧勝劇。やっぱ東京オリンピックは誘致したいんですかねぇ…(笑)。

対する道議・札幌市議は、自民が第一党をなんとか守ったものの、民主が議席を伸ばしています。(全国では自民が「過半数」を割ったという)
「上」の方では自民優勢だったわけですが、「下」の方はじわりじわりと動いているようで、悪くない傾向。これも納得といったところです。

*
気になった投票率は、知事選64.13%(札幌市長選62.22%)と、まずまず。
でも過去の知事選での最高は、1983年の83.89%(当選堂垣内尚弘氏)というから驚き。隔世の感がありますねぇ。

*

(c)北海道新聞
あと、この写真にもびっくり。
北海道新聞には、「(札幌市議に)初当選を決めた山口さん(左)。選挙運動を支えてくれた友人らと、笑顔で記念写真に納まった」とキャプションがあったのですが、確かに「友人」はいるけど、候補者いないじゃん?と思ったらなんと「(左)」の人がそれ。30歳の現役女子大生(小樽商大)だそうだ。へぇー。

*
ところではるみちゃんですけど、今年の雪まつりの時に雪の滑り台から滑り降りようとして「45キロ(体重と思われ)だから受けとめて~」と叫んだのを見て以来、なんとなく親近感があります(笑)。

2007/04/08 日

統一地方選

札幌は4つの選挙(北海道知事、札幌市長、道議会、市議会)があって、これは全国最多なんだそうだ。
「上」の方はともかく、議員の方はもう誰が何を言ってんだかワケわかりません。

でもまぁ、投票はして来ます。

みんなも投票しようね!
選挙権者みんなが投票したら、社会は変わるよ。
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