1/23(金)、札幌コンサートホールKitara。
札幌交響楽団(札響)第515回定期演奏会。
サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」です。
Kitaraのパイプオルガンは
マーラーの時にも聴いたわけですが、低音のサポートくらいの印象しかなかったので、しっかり主役級の活躍をするこの曲を楽しみにしていた次第。
こういうのはS席のいいとこで聴きたいなーと思いつつ、ネット販売分にはいい席がないらしく(ステージ直前の席とか)、ならA席でいいやといつもの(とは逆で右側のRAだけど)サイド席を取りました。
今夜の一曲目はワーグナーの「
さまよえるオランダ人」序曲。
出だしは「おッ」ていう感じのいい緊張感でしたが、なんか木管とホルンあたりのアンサンブルがよくない気がします。
RA席の悲しさ、弦・管・打が別々に聴こえるのもあるんですなー。この席を買ってチト後悔した瞬間でした。
二曲目は伊福部昭「
ピアノと管絃楽のためのリトミカ・オスティナータ」。
伊福部昭と言えばなんたって「ゴジラのテーマ」ですが、実は他の曲はあまり聴いたことがありません。この曲も初聴き。
しかし…カコイー!! めちゃくちゃかっこいい曲です。定演は金・土の2回公演なんですが、土曜(つまり今日^^;)もう一度聴こうかと思っちゃいました。
プログラムに作者の言葉が引用されています。「我々の伝統音楽は、総て、偶数律動から成り立っていますが、一方、韻文は五・七・五の奇数が基礎となっています。この作品では、音楽ではなく韻文の持つ奇数律動をモチーフとしました。」
開演前に一読しても「?」でしたが、聴けばナルホド。
百人一首であり、歌会始であり、声明であり、謡曲であり、いよぅ!であり、柝の一喝であり、…ちょっと私のつたない邦楽体験では表現できませんが、とにかくニッポン。
ウインナ・ワルツもジャズも、どんなに上手に演奏しても借り物でしかありませんが、まさにわしらのリズムが体言されているわけです。(それをなぜ西洋楽器で、というギロンもあるとは思いますが)
とにかく、遺伝子と共鳴するがごとき音の律動に、すっかり酔いしれさしてもらいました。
15分の休憩。
ステージ設営を眺めていてすごくびっくりしたのが、「ハープって男一人で持てるんだ!」という事実…いままで知りませんでした^^;。
さて、三曲目。サン=サーンスの「
ハ短調交響曲」。
「ハ(C)調」というと一般に単純・ノーテンキの代名詞ですが(笑)、オレはどうも白い色を連想します。
絶対音感がある人の中には、ある音が聴こえるととっさに特定の色が目に浮かぶという特殊能力を持った人があるそうですが、そんな話じゃなくて(笑)、知識として連想しているだけか、この曲の終盤のテーマ総奏の部分の楽譜が白い(ほとんどが白丸=全音符か二分音符である)のを見た記憶が残ってるってだけでしょう。
演奏は、素晴らしかったです。
くだんの総奏のところでオルガンが走り気味でしたが、一人だけ高いところで後ろ向きで座ってるんだから(指揮者の映像をモニターに映しているらしい)、合わせるのは難しいんだろうなぁ。それか、S席で聴いたら合ってるのか。コンサートホール内の互いの距離は、近いようで音のタイムラグが結構ありますからね。
なにしろ一番最後のC(ハのドミソ)の和音の気持ちいいことと言ったら! もっとフェルマータ長く、ずっと聴かせて~~!って感じでした。
拍手しながらアタマ真っ白、心の中ではもうヨダレ垂らしてましたね。
ドイツ(オランダ?)-日本-フランス…どういう組み立てなのか、オレなんかにはよくわかりませんでしたが、最後の音素敵だったからなんでもいいです。
会場を見渡すと意外に空席が目立っていたけど(ネット予約の見出し曲目に、馴染みの少ないと思われる「リトミカ・オスティナータ」しか載ってなかったせいもあるんじゃないかな?)、聞き逃すともったいない演奏会でした。
ところで今宵の指揮者は飯守泰次郎氏。
なんか指揮っぷりがヘンなんですよ(失礼(^^;))。カウントが不明瞭だし、妙な動きが諸処に。客席から見ていると「よく合わせられるなぁ」…って感じだったんですが、合ってるわけですよね。
なんか不思議(笑)。
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