新聞に載った各党のマニフェストをザックリと読んでみた。
わからん。
なんだかいいことばかり羅列してあるんだが、問題点と到達点がよく見えない。
特に自民党のはそうで、「進める」「取り組む」「展開する」のオンパレード。
国民生活の未来像をここからイメージすることは困難に思える。
まさに「白紙委任」を迫る内容だ。
民主党のはまだましだ。中でも「500日プラン」は一定のシナリオを示していて、シーンは想像しやすい。
マニフェストそのものも、自民よりは具体的に書いてあるような気がする。
民主党の場合、約束の内容よりも政策の実行力そのものに若干心配があるわけだが…。
(いくらブロードバンド時代とはいえ、マニフェストが
40MBもあるのはいかがなものか?)
郵政への「白紙委任」はお断りだが、(比例区は)一票しかないんだもの、どこか白紙委任にならざるを得ないところが歯がゆい。
(各人持ち点が100点くらいあって、支持する項目に何点とか割り振れるようにすればいいのに…って難しすぎ(笑))
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ところで、こないだ
開いた口がふさがらなかったスローガンなんだけど。
民主党の「日本を、あきらめない。」はひどい。
あれもこれも伝えようとすると、何も伝わらなくなるというお手本のようなスローガンだ。
いちがいに「あっちにNO!」とも「こっちにGO!」とも言えない民主党の現状なのかどうか、所詮この程度の言い方しかできないのだろう。
第一、どっちを見てスローガンを語っているのか。
(オレら白けてはいるけど、別に諦めちゃいない…ともすればくじけそうなのは民主党の方ではないか)
具体性がない、切実さがない、主体と対象が見えない、そういう言葉は伝わらないのである。
自民党の「改革を止めるな。」っていうのは当然郵政改革のことだよね?と思うと、マニフェストにはいろいろ書いてある。
郵政改革は冒頭に書いてあるけど、本当に1行しかない。
(一度否定されたものをそのまま強行突破する気だね。また参院で否決されなければいいけどね)
郵政改革「法案」に問題があって反対している人もいるのに、郵政改革是か非かとすり替えられているのも困る。
郵政をシングルイッシューにするのは勝手だが、万一勝った時に「国民がぜんぶ支持した」とか強弁するのだけはやめてね。
公明党は(どうでも)いいとして、共産党の「たしかな野党が必要です。」からも社民党の「国民を見ずして、改革なし。」からも、沸き立つオーラは感じられない。
そもそもスローガンじゃ踊れねぇよ。
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政党各名も何ともいいようのないものがありますね。
国民新党とか新党日本とか…。清濁併せ呑むとそういうでかい名前にしかならないわけですね。
新党さきがけや新進党の時も、ただ新しいとだけしか言ってなかったわけだけど。
イデオロギーまでは要らないかも知れないけど、理念理想を表した政党名ってないよね。
「民主党」でググると、2番目は自由民主党のサイトだったり。(笑える)
中では「大地」がサスガ表現者が命名しただけあって一定のニオイはあります。
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選挙の言葉についてもうひとつ。
キャスティング・ボード、だとオレも思っていた。
芝居かTVの現場とかには、配役(キャスティング)が書かれた板(ボード)があって、それを手にする人は監督の右腕とか重要人物だから、現場で実権を左右する人のことを言うようになったのだろう…そういうイメージだったんだけど、これ間違い。
正しくはキャスティング・ボート(Casting Vote)で、文字通り勢力の帰趨を左右する重要な一票(事実上の決定権)のことをいう。
例えば賛成派と反対派が拮抗していて、大仁田がどっちに投票するかで賛否の行方が決まる…そんな時に大仁田が投じるのがキャスティング・ボートである。
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さて、公示日を迎えた。
以前「解散~公示~投開票までの時間がすごく少ない」と書いたんだけど、やっぱりかなり時間は長かったかも知れない。
解散から公示まで3週間。
例えばある日、未曾有の大事故が起こったとしよう。
さいしょの1週間は事故の興奮や遺族の悲しみ、奇跡の救出劇で世間は染まる。
次の1~2週間で、事故の原因や補償、責任の追及、隠蔽体質や不祥事などの現実で世間は右往左往する。
3週間が過ぎた頃には世間はこういう、「
そんなこともあったなぁ」。
小泉劇場のパワーは強かったが、せいぜいここらまでなのではないか。
小泉氏が投票日をもう一週早めたかった気持ちがわかる。
これからの2週間が、そういう意味でも本当の勝負になるだろう。
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自民党はもうなぁ。でも民主党もなぁ。
正直言ってそんなところだったんだけど、比例区北海道ブロックに、民主から元ニセコ町長・逢坂さんが立った。
いきなり1位なのかよ…というのはありつつ、非常に興味深い人選であるのは間違いない。