2008/02/27 水

「観光資源」と「乱開発」

豪州をはじめとする外国人スキーヤーらの来訪が増え続ける後志管内倶知安町ひらふ地区。今後の需要増を見込みコンドミニアム建設が進むが、同町や道は乱開発を防ぐため、建物の高さ制限などを定めた「景観地区」に指定したい意向だ。これに対し、地元建設業者らは「“ひらふ景気”に水を差す」と反発し、行政側の姿勢に疑問を投げかける。二十八日には、町都市計画審議会が町の景観地区指定原案の適否を協議する方針で、審議会の判断が注目される。

生活 北海道新聞

目先のカネしか見えない人は、観光資源をみんなで健全に保護育成するという「長い温かい視点」は持っていないんでしょうね。

(2008/2/29追記)

コンドミニアム建設が進むひらふ地区などを「景観地区」に指定して、開発規制するかが注目されていた後志管内倶知安町で、町長の諮問機関「町都市計画審議会」は二十八日、高さ制限などをかける景観地区に指定する町の原案を了承した。道知事の同意を得て、三月上旬にも施行される見通し。

社会 北海道新聞

最終的に「ルール作りが必要」という見解で一致、町の原案を満場一致で了承した、とのこと。

2008/02/15 金

食い物

とりあえずメモ。

道路特定財源の一部が国土交通省職員の宿舎建設費に充てられていた問題で、同財源で建てられた開発局の職員宿舎は大半が家賃二万円未満で、民間の相場と比べて格安であることが国交省の内部資料で分かった。開発局は「法に基づいて適正に算出した」としているが、無料や千円以下という物件もあり、民間の常識からかけ離れた実態に批判が高まりそうだ。

社会 北海道新聞

ポイントは「開発局」と「道路特定財源」。

2008/01/30 水

やっぱり北海道…

やっぱり北海道だべさ!!スペシャル版」 千石涼太郎 (双葉文庫)

つー本を読む。
本については、北海道の雑学一つに統計資料を一つ組み合わせて本になるんだからラクでいいなぁ…くらいしかないんですが、一カ所だけ、へぇと思ったくだりがある。
引用してみます。

平成4年度の公務員白書によれば、在職者数八四一三人、休職者二三人、派遣職員四人。全国的いや世界的な仕事をこなす通産省の在職者が五四三六人であり、世界をまたにかける外務省の在職者が四二三九人という数字に対して、あまりに多い職員を抱えている組織といわざるを得ない数字。
正直なところ、なぜこれだけの人員が必要なのかは、まったくもって見当がつかない。それはそれは有意義なお仕事をなさっていたのではありましょう。けれど、沖縄開発庁に一一三〇人の職員がいた以外、他府県にはまったく存在しなくても行政的にも困らないという開発組織に、なぜ何千人もの人員が必要なのか。いろいろと考えて合点がいかない。

北海道開発庁の話である。同庁は2001年の省庁再編の際に無くなった(国交省の北海道局になった。なお平成18年度末の同局の定員は6,159人だそうだ)。

北海道は地域も広いし、道行政も14の支庁に分割管掌しているほど。歴史的にも人為的な「開発」の対象だったのだから、いきおい役所もでかかったのだろう。

ま…。

「やっぱり北海道(地方)は食われているんだべさ!!」というのが率直な感想でありますね。

2008/01/21 月

ほれNHK

ほれ、また来たNHK。
そもそもなんでNHKがジャニーズドラマなんか放映しなきゃならんのでしょ?

NHKは21日、千葉県内でのドラマの撮影中、駐車していた一般の車のナンバープレートに無断で小道具のプレートを張り付け、その後車の行方を見失っていると発表した。同日昼の関東地方のローカルニュースで、張り付けた紙製のナンバープレートの番号を紹介し、「心当たりの方はNHKか警察まで」と呼びかけた。

asahi.com:NHK、一般の車に無断で小道具プレート 車消え陳謝 - 社会


(2008/1/22追記)

NHKが20日にドラマを撮影していた千葉県内の中学校で、小道具の紙製ナンバープレートを付けられたまま行方がわからなくなっていた一般車両の持ち主が、21日夜、館山署に届け出たと、NHKが発表した。小道具もみつかり、同署が保管しているという。
(中略)
番組プロデューサーは22日、所有者を訪ねて、おわびする。ドラマの設定のため、スタッフが持ち主に了解をえないまま、架空の「岡山ナンバー」をはり付けていた
(後略)

asahi.com:車見つかる 「ニュース見て」警察に 隣市の所有者 - 社会


*
ところでNHKと言えば、ニュースキャスターがしっかりカメラ目線でしゃべるじゃないですか。

あれ凄いなー、きっとニュース原稿には要点しか書いてなくて、いろいろな社会事情に精通している(ように教育されている)キャスターがその場で構成しながらしゃべってるんじゃないのかなーと思っていました。
しかもその要点は頭に入ってるから、手元の原稿(紙)は単なる予備で、目もくれずに次々に脇へ追いやることができるんだなー。
さすがですねーと。

その点民放のアナウンサーは下(原稿)ばっか見ていてだらしないなーと。


(c)大分朝日放送
そしたら今日、ほんとうに凄いことを知ってしまった。
実はスタジオには「プロンプター」というものが用意されていて、キャスターは手元にある原稿が映し出されたモニターを見ながら喋っているらしい…。

長年の幻想が崩壊しましたょ…(´Д`;)。

(民放のアナウンサーは目がよくないので下を見ているんですね)

2008/01/21 月

卑屈すぎ?

ひろ師推奨図書シリーズ。

この1月からアメリカ国の大統領選が始まって、やれ女性の、やれ黒人の、いや前政権の反省のと、かまびすしいですな日本の報道が

なんで、かの国のお祭りにこれほどつき合わなくてはならないのか?

こっちで例えばフクダさんだアソウさんだと(増してやオザワさんだと)騒いでも、日本のリーダーなんか向こうに行ったらほとんど誰も知らないですわ。

極端な傾斜がありますな。

カネを出せ旗を出せ油を出せと絞られ、二酸化炭素なぞ知らんと突っぱねられ、金融市場が儲からんからと原油高騰の原因を一方的に作られ等々しているにも関わらず、植民地ドレイ民族の立場に甘んじ、それでもなお尻尾を振って、政治的にも経済的にも文化的にもスリ寄って行かざるを得ない哀しさいじましさ。

かくもお追従主義では、かの国の“没落”とともに日本も沈んで行くしかないでしょうよ。

で、この本。

街場のアメリカ論    NTT出版ライブラリーレゾナント017
街場のアメリカ論」 内田樹 (NTT出版)


大学(著者が勤務する神戸女学院大学)での演習をもとに形成された本というだけあって、歴史上の事物の見方・考え方に関する示唆(系列的じゃなくて年号に着目せよとか、“どうしてこの出来事は起きなかったか”を考えろとか)は参考になるが、「設計されてできた国家」「自らのシステムを他者に押しつけたがる」「明らかに対称性を欠いた復讐性向」「共有イメージの類型性」「子供というものを神聖視しないヨーロッパ文化の影響」とかというアメリカ論(というか批判)には、新味はなかったかなぁ。

ま、底流にあるのは、建国以来、あるいは独立以来の「アメリカ合州国という(青臭い)共同幻想」である。
そんなものにいつまで日本はつき合っているのか?

かの国に資するのではなく、また短期のみならず中長期的に見て日本の国益とは本当は何なのかを考える時ではないのか?

ノダさん公認サトウさん国替えとかくだらねぇことで面白おかしく騒いでる場合じゃないでしょう。

2008/01/18 金

ニュースの倫理

土日とか、17:00くらいからTVのチャンネルを変えながらニュースのハシゴをしていますと、もう各社ほとんど同じニュースばかりであることに気づきます。
トップ始め重要ニュースはまだしも、ゴシップや地方の歳事の話題まで見事に同じだったりしますな。
流れから言うと最後は当然19:00からのNHKニュースになるのですが、なんとこれまた同じ。

民放にはハナから何も期待していませんが、全国津々浦々に緻密なニュースネットワークを持っているハズのNHKが、なぜ目新しい話題や、同じ話題にしても深まりのある報道内容が組めないのか、ちょっと不思議ですね。

ひょっとしたら、取材体制自体、劣化しているのではないか?

と思っている矢先、「劣化」の事例がまた出て来ましたね。

NHKは17日、報道局記者ら3人が金融商品取引法(旧証券取引法)違反のインサイダー取引の疑いで、証券取引等監視委員会の任意調査を受けたことを明らかにした。外食産業グループ化のニュース原稿を放送前に読んで1000-3000株程度を売買し、10万-40万円の利益を得たとみられ、3人は16日に監視委の聴取を受けた。

社会 北海道新聞

「インサイダー取引」という犯罪もまあ、よく分からないんだけど、「倫理」という難しい単語以前に、なんつーか卑しいですな、行動が。

総務大臣が「ほかにもいそう」と言ったとも伝えられていますが、オレもそう思いますねぇ。

2008/01/16 水

国家の罠

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)
ひろ師推奨図書シリーズ。

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて」 佐藤優 (新潮文庫 さ 62-1)


ちょうど、文庫化されたところである。
例の「ムネオさんの犯罪」辺りに連座して、背任、偽計業務妨害で起訴された著者である。

(余談だが、本屋さんに探しに言ったら、著者の本がズラリと並んでいた。
こんなに書いているのか…と驚いていたら、ちょうどこんな指摘を見かけた。(しかしなんでこのシトはこんなに攻撃性向が強いのだろう…))

*
さてこの本は、田中真紀子外相(当時;「外務省は伏魔殿発言」などで旧弊にクサビを打ち込む正義の味方に見えたっけ)×ムネオさん戦争の裏事情や、北方領土を巡って、ソ連~ロシアとの間で水面下の交渉が進められていた頃の内幕、逮捕拘留されてからの検察官とのやりとりなどが迫真の筆致でえがかれている。

そして、外交とはどういうものか、検察とは(あるいは国策捜査とは)どういうものかについてアウトラインを教えてくれる。さらに、小泉政権を境に日本はいったいどう変わったのか?についても理解を与えてくれる。(それがつまり、傾斜配分:格差社会の始まりと、国際間協調ではないアメリカ偏重外交の始まりである)

たいへん感銘を受けた。

ひろ師にこの本を紹介された時に、「それはムネオさんを弁護する本なの?」と(真実以前に、ムネオさんは生理的に受け付けない人なので)警戒感を抱いたのだが、まさしく弁護する本であり(なんら悪事は働いていないという)、かつムネオさんが北方領土問題の解決や(今後も含め)北海道の振興に不可欠の人物だということを豊かな説得力で教えてくれる本であった。

もっとも、事実関係をウノミにするつもりはない。
もとよりもっぱら片方の側から書かれた本であるし、本当のことがすべて書かれているわけではない(嘘はなさそうだが)。真実はよくわからない。

代わりによくわかったのは、國民はなにも知ら(されてい)ないのだなぁ、という、読後の高揚とはウラハラな空しい現実であった。

なお、ムネオさんとともに、裁判の方は係争中である。

2007/11/07 水

茶番

この件についてはスルーと思っていたけど、あまりにも酷すぎますね。
國民を馬鹿にしすぎです。

  • なぜ大連立なのか?
    「ねじれ」の打開のためというんだけど、現状「ねじれ」こそが民意の姿なのであって、大連立とか総選挙を経ないでの再編とか枠組の変更によって打開しようとするのは本末顛倒でしょう。
    「選挙で勝てない」? それ言っちゃっちゃ勝てないでしょう。
  • なぜ辞めたのか?
    これがよくわからない。スネたのか? 民主党へのカンフルなのか? 「壊し屋」の異名通り、離党(新党)→自民合流の筋書きだったのか?
  • なぜ戻るのか?
    これが一番よくわからない。
    「恥をさらすが頑張る」と言ったと伝えられるが、それを伝えたのは鳩山氏で、肝心な時に居ないのは相変わらず。民意を自ら手放したツケは小さくないと思います。
    民主党も本当に烏合の衆ですねぇ。本当にガッカリです。

リーダー不在。
漂流。
沈没。

日本の末路ですよ。

2007/10/30 火

オ・ト・ナの発言

北海道新聞より。

元次官は、防衛庁長官経験者を含む政治家が宴席に同席したことを明らかにした。
これに対し、
石破大臣は「全くない」。
大野元長官は「全くありません」。
額賀元長官は「全く記憶にない。今の時点で思い浮かばない」。
久間元大臣は「守屋氏同席の事実はない」。
中谷元長官は「関係は全くない」。

実にこう…含蓄のある各発言ですな。

2007/10/25 木

劣化の構図

改めて、なんで「庁」を「省」にしたのかべんきょーしてみる。

省ならMinistry(もともとは聖職者、奉仕する者、という意味らしい)だが、庁はAgency。つまり実行機関であり(この庁には立案機能はあったようだが)、総理府・内閣府の外局という位置づけにあった。

省になるとなにが違うか。どうも、事務手続が1ステップくらい短くなった(直接予算請求できるなど)、「隊員」の士気向上、他国の同等機関との均衡改善、程度のことだという。
だったら名前くらい変えてもいいじゃないか。そうやって、なんだかよくわからないうちに「昇格」してしまった。

だったら名前なんか変えなくてもいいじゃないか。という意見は封殺されたようだ。

役所は肥大したがるし、力は強くなりたがるから、自分が昇格したいのはわからなくもないけど、そもそも戦争放棄や軍備非保持の理念があるからこそ他ならぬ「庁」だったのではないか。他国との…、つったって他国とは事情が全然違う(そもそも合憲じゃないじゃないか)のに、なぜ均衡なのか。

まったくよくわからない。

で、名は体を表す。

名前が変わった途端に、何か暗然としたものが噴き出している。

「80万を20万と誤記した」「国家機密がファイル交換ソフトで流出」「セクハラ」「首都を離れて毎週ゴルフ」…どれもうわべは一見単純なスキャンダルのように見えるけど(そして出てくるうちはまだいいけど)、外れたタガはそのまま「文民統制の危機」へとつながっていくのではないか。

恐ろしいことだ。

(2007/10/26追記)

昨日付の田原総一朗氏のコラムが面白い。
何が面白いかっちゅーと、「これだけ話題になるのは、裏で検察が動いているからだ」というくだりが面白い。

(小沢氏への献金ニュースは、北海道新聞にも載ったが、確かに「返した」で一件落着の体となっている)

ゴルフスキャンダルがもっと大きな政治と金スキャンダルに発展するのか。それとも何かの力学が働いてウヤムヤに終わるのか。

終わったら、いよいよアブナイと思うな。
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