2005/08/03 水

靖国モンダイ

靖国問題

靖国神社について、素朴な疑問を抱いていた。

(1)靖国神社とは何か?
(2)「A級戦犯」とはいえ、既に死刑が執行されている。なぜ中国等は問題視するのか?
(3)公式参拝に違憲判決が出ているのに、なぜ小泉氏に何らのペナルティーもないのか?
(4)内外の圧力に対して、小泉氏はなぜああも頑ななのか?
(5)つまるところ、靖国神社は是なのか非なのか?

そこで、この本を手に取ってみた。
「靖国問題」、高橋哲哉著、ちくま新書。

「感情の問題」「歴史認識の問題」「宗教の問題」「文化の問題」「国立追悼施設の問題」と章を区切り、それぞれの切り口から問題の所在を明らかにしていく。
著者は哲学者なんだそうだが、それだけに筆致は論理的であり、公平に思える。そして「素朴な疑問」への答えもおおむね書いてあるように思った。
ごくごくかいつまむと、以下のような感じ。
(必ずしも本にこう書いてあるというわけではなく、私がこう理解したということ)

(1)への答え…国民を喜んで死地に赴かせるために作られた顕彰装置である。
(2)への答え…刑を全うしていない者も合祀されている。それより以前に「A級戦犯」を問題視するのは、むしろ問題を矮小化して解決を図ろうとする中国指導層の戦略である;「A級戦犯」だけではなく、「靖国の存在」自体が真の問題である。
(3)への答え…直接合憲か違憲かを問う裁判は起こせない…らしい(起こされた裁判はいずれも「公的参拝」によって原告の利益や権利を侵害されたかどうかについての争い)。その中で「違憲」判断を示したのは2004年4月の福岡地裁判決があり、係争中が6件あるが、少なくとも「合憲」とした判決は現在までにひとつもない。ちなみに7月26日にも大阪高裁で同様裁判の判決があったが、憲法判断には踏み込まなかった。
(4)への答え…は、明確ではない。てゆーか、小泉氏の胸の中を推し量るしかない。没論理の説明しかしていないのは確か。
(5)への答え…戦争を非とするならば、靖国も非だ。興味深かったのは、歴史認識を明確にしないまま「国立追悼施設」を作っても第二の靖国となるだけだという指摘。

非常に「面白い」本だった。

*
ところで、靖国神社が国民(といっても軍属・準軍属に限られる)の戦死を美化する装置である以上、以下のような発言は無視できない(いずれも安倍晋三氏)。
「私は今も参拝している。国の指導者が国のために殉じた方に尊崇の念を表すのは当然の義務だ」(共同ニュース 2005/4/28)
「国のために命を落とした人に祈りをささげる義務を投げ出すのならばリーダーの資格はない」(北海道新聞 2005/7/28)
尊崇や祈りは、国(のリーダー)が行うものではない。

「次のリーダー」がこれじゃあ、やっぱり自民党には投票できないよなぁ。
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2005/07/23 土

花園リゾート着工へ

後志管内倶知安町のひらふ地区でスキー場の買収などを進める豪州系企業「日本ハーモニー・リゾート」(東京)は、同地区で二○○六年から十五年計画で大規模リゾート施設を建設する方針を決め、二十二日、道に開発許可の申請を行った。総工費は約五百億円で、地元などから約千人の雇用も予定している。
計画によると、建設地はニセコアンヌプリ(一、三○八メートル)の一角にある花園スキー場のふもと(同町岩尾別)で、面積は約三十一ヘクタール。全体イメージはスキー場を核とする世界的なリゾート地のカナダ・ウィスラーをモデルとし、分譲方式を中心に調理設備や家具を備えたコンドミニアム型施設と一戸建ての宿泊施設を建設する。いずれも棟数は未定だが、部屋数は総計二千室を予定し、二一年までに完成させる。

北海道新聞 経済

ちなみに「五百億円」は、完成したコンドミニアムを順次売却して調達するという。

本来盛り上がるべきかも知れないが…いろんな意味で不安にかられるニュースだなぁ。

  • ニセコエリアの経済バランスは?
  • 花園の遊戯バリューがそんなにあるのか?(初心者向けリフトが新設されるらしいが)
  • 豪州の好況(≒ハ社の投資意欲)はこの先も安定し続けるのか?

ニセコの「発展」は何のため?という疑問がふと湧いてしまいます。

2005/07/06 水

北海道で東京を冷やす

開発局は六日までに、北海道の雪氷を首都圏に輸送し、冷房熱源として利用する「雪氷輸送物流システム実証実験」の概要を固めた。今冬、苫小牧東部地域(苫東)で約三千トンを自然製氷・保管し、来夏に苫小牧港から東京港へ送る。…寒冷な北海道で作った大量の氷を輸送することで、物流問題の解決に加え、首都圏での冷房用電力需要の削減効果が期待されている。

北海道新聞 経済

なんと素晴らしいアイディアじゃござんせんか。
人工的な暑さを、自然の冷たさで癒しましょう。

2005/07/04 月

“自民をぶっこわす”…

3日投開票の東京都議選の得票率でも民主が自民に迫る結果となった。民主は自民に及ばない得票率だったが、前回を11ポイント上回る24.51%まで伸ばした。自民は30.66%と3割台を保ったものの前回(35.96%)より5ポイント以上減らした。民主は、得票率で都内第1党となった03年衆院選、04年参院選での勢いを都議選でも保ったといえる。

MSN-Mainichi INTERACTIVE 選挙

東京はなかなかやりますね。(投票率がもっと伸びればよかったけど、史上最悪でなかったからよかったか)
この勢いをさらに保ち、郵政否決→解散総選挙→自民退潮→小泉辞任の流れができるとよいと思います。
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2005/06/08 水

遺伝子組み換えとの引き換えに…

農水省系列の独立行政法人・北海道農業研究センター(北農研=札幌市)は七日までに、遺伝子組み換え(GM)技術を使った耐冷性イネの屋外栽培試験を、二○○七年に同センターの隔離ほ場で再開する方針を固めた。GM作物の栽培条件を定めた道条例の施行を十月に控え、同センターは立地条件に配慮すれば交雑などの悪影響は防げると判断した。ただGM作物への慎重論は一部に根強く、再開までにはなお曲折が予想される。

北海道新聞 バックナンバー


これってどうなんすかね?
心情的には、いずれ生態系に取り返しのつかない悪影響が出ると思えて、ものすごい拒絶感があるんだけど…。
(今さら生態系がどうのというのも唇寒いんだけど)

第一、なぜ慎重論を押し切ってまで耐冷性イネの栽培を敢行しなくてはならないのかが理解できない。
そんなそら恐ろしいことを考える前に「商業主義」や「無駄」の排除を考えた方が建設的だと思うな。

2005/06/02 木

社会に目をつぶりたい…

BLOGで「社会のおべんきょー」関係のカキコをするたび、自分で非常にいや~~な気分になります。
向いてないんだよねぇ。

社会のこともちっとは知らなきゃ。
なので、BLOGにも敢えて取り上げてみる。
取り上げる以上、多少なりバックグラウンドを学習しなければならない。(それが“べんきょー”)

というわけで書いてるんですが、見渡してみると腹の立つことばかり。
つい文体もいや~~な感じになります。と思います。
社会への憤りと自己嫌悪でいっぱいになっちゃうわけですなぁ。

今日も今日とて、朝から「警察庁が捜査上取得したDNA情報をデータベース化」とか(Nシステムも含めて、警察権力の暴走が始まってるよねぇ)、「クールビズ」とか(ズレてんじゃないの。それに何でイギリス語なんだよっつの)、「若貴兄弟の確執」とか(ほっとけよ)、「日ハム、連夜の引き分け」(いいから拒人って言うな)とか、目にしたくもない話題が少なくない。

市民として黙ってるのもナンだし。

いいコメントをもらうと非常に救われるけど、行くもならず引くもならずという、ビミョ~なところであります。

2005/06/01 水

sir-etoko

「知床」が世界遺産に登録されることが濃厚になったという。
自然遺産としては日本で3コ目(白神山地、屋久島に次いで)、文化遺産も含めると13コ目である。
まずはめでたい…のかな?

でも世界遺産って、つまるところ何?と思ったので調べてみた。

  • 国が手を挙げ、申請する
  • IUCN(国際自然保護連合)という機関が調査・勧告し、UNESCO(国連教育科学文化機関)が決定・登録する(リストに載せる)
  • 経済的援助とかはない
  • 申請した国が、保護の義務を負う
  • 世界が注視する

以上、らしい。
ダムの影響を見極めるなどの勧告に日本が対応できなかったり、保護が充分でなかったりしたら登録が取り消されることもあるらしい。

知床にとっては、国の保護義務を取り付けたということになるかも知れない。
かなりの割合が誰かの私利私欲の足しになったと思われるダムなどが減る役に立つといいと思う。
自然が本当に手つかずのまま遺されるのなら素晴らしい。

でも、何しろ日本のことだから。
いろいろな意味(観光の材料とか)で“踏み荒らされて”しまうかも知れない。
逆に、一部の人間だけがアクセスできる封鎖空間になってしまうかも知れない。(鍵で閉じられた林道みたいに)
どっちにしても、人間も含めた自然が自然のままに共存するイメージは、湧いてこないんだよなぁ…。
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2005/05/27 金

FAHRENHEIT 9/11

華氏 911 コレクターズ・エディション
遅ればせながら、このドキュメント映画を観る。
うーん。
これだけほじくられているのに、政権に座り続けることができる社会って一体…。
日本の首相とカブって、かなり胃が重たくなりますね。

2005/05/12 木

ビッグコミックスピリッツ

今日は昼飯を某定食屋で食った。
料理が出てくるまでの間、手近にあったビッグコミックスピリッツをぱらぱらと読む。
(10年ぶりくらいではなかろーか?)

通巻は1100を越え(確か)、中綴ではハチ切れそうなほどの厚みになっている。
元気なようで、ご同慶の至りである。
じみへん」の連載がまだ続いていたのにもびっくり&安心した。吉田戦車も健在なのね。

しかし。
うーーーーむ。
中身の大半は暴力とエロばっかじゃんか。
つ、ついて行けん…(^^;)。

てゆーか大丈夫なのかなあ? 青少年の情操はどうなっておるのだろう。

と思ったら読者プロファイルのデータがあった。
確かに青少年層にひとつの山はあるけど、主要層は圧倒的に30代前半なのであった。

別な意味で心配になるなあ…。

2005/05/10 火

外堀は知らないうちに埋まる

4月29日の「みどりの日」を「昭和の日」に改める祝日法改正案が今国会で成立する見通しとなった。30日の自民、公明両党の幹事長らの会談で、今国会成立を目指すことで一致したためだ。
4月29日は昭和の「天皇誕生日」。同改正案は「昭和の日」の意義を「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧みる」と規定している。祝日の「みどりの日」は5月4日とする。

MSN-Mainichi INTERACTIVE


ゴールデンウィークや電車事故に目を奪われている間に、こんな動きがあったとは知らなかった。恐ろしいことじゃ。
「明治の日」も「大正の日」もないのに、なぜ「昭和の日」なのか。
ナショナリズムの復活、軍国への回帰を感じる。

どうして日本人は学ばないのだろう?
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