ちょうど不読書月間に突入中なので、読了まで4カ月もかかってしまった(^^;)。内容は、ほとんど頭に入っていまてん(意味ない)。
毎日新聞社の常務を務めた著者の目から、新聞を取り巻く現状と展望(+提言)について語る。
活字離れではなくて新聞離れであるという事実。
「紙」の販売にまつわる収益構造のねじれ。
(子会社の)TVをめぐる利権の渦。
二大新聞社の野望。
など、新聞が抱えるさまざまな問題について論じられる。
と、ここで、例の「大連立構想」が思い出ささる。黒幕は某ナベツネ氏だという話。なぜ良き市民のカガミたるべきメディアの代表が政局(権力)の黒幕を演じるのか? 単に個人的な権力欲の発露なのか、日本特有の世界最大部数新聞という“生き物”が持つ宿命なのかちょっとわからない部分だけども、日本の新聞がどこか歪んでいる証左のようには思われる。
もうひとつ思い出ささるのが、昨年10月の「
朝日・読売・日経がネット関連で業務提携」というニュースである。
まさに呉越同舟もいいところなのではないか?
本書の中に、興味深いエピソードが載っている。2006年初頭の雑誌上で、ナベツネ氏が朝日の論説主幹と対談をしたという。その中で氏、「朝日と読売
は生き残らなきゃいかん」と言ったとか。他はつぶれてもいいと読める…と著者。
この期に及んで生き残り…いや、さらなる覇権を目指すのが二大新聞+日経の野望だというのだ。
では毎日新聞以下や地方社といった二線級社は座して沈むしかないのか?
著者は、最適解は「第三の極」を作ることだとして、最後にドラスティックかつ美しい解決法を提示している。
- 二線級社の業務提携による大幅なコストカット。(取材、印刷、販売の一元化)
- コンテンツ品質の向上。(日々のニュースは共同化し、長いテーマを追う)
- ITへの最適化。(現在の大規模マルチ出力型ではなく、小規模テーマ特化型のビジネスモデルに変える…オレが知っている範囲で想像されるのは、例えばtelemarktips.comのような専門的なニュースサイトの集合?)
つまり、旧来の新聞の概念・体制を根底から改めよ、という内容である。
理想的ではあるが、これらの“美しい”ソリューションは、各社のメンツ(企業文化)や拡大再生産の発想(守旧派の抵抗)がネックになって、まず実現はしないだろう。
そして新聞は読朝の二大潮流に収斂し、やがては衰退していくしかない。
オリコミチラシ担当販促マンとしては、しばし遠くを見るしかないのだが…。