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2006/09/06 水

五次元世界のぼうけん

小学生の頃だったかなぁ。
「五次元世界のぼうけん」(あかね書房:渡辺茂男訳)という児童文学を読んで、いたく胸ときめいたことがあります。

ときめいたと言っても、主人公メグのニックネームのひとつが「メガパーセク」といって、それが326万光年という途方もない距離を表す単位だった(3260万光年と書いてあったような気もするが)、で、そんな名を持つ女の子にどきどきした、ということくらいしか覚えていなくて、どんな話だったかなぁ、いつか読み返したいなぁ、と思っていたのでした。

とうの昔に絶版になっており、図書館を探しても見つかりません。

先日なにかの拍子に思い出したので(ときはいつの間にかインターネット時代になっていた(笑))、検索をかけてみると、意外に読んでる人もいるですねぇ、けっこうページが見つかりました。
復刊ドットコムではもうひとつ票が足りません(笑)が、なんと札幌市中央図書館にも1冊蔵書があるじゃないですか。

へぇー。
借りてみようかなぁ。
でも憧れの人って、いざ手が届くところに来ると、却って引いたりするじゃないですか(笑)。
昔おもしろいと思った本も、今読み返すとガッカリすることが多いわけです。

うーん。
どうしよう。
とジレンマに陥ったところで、はっと閃きました。
勉強がてら、原書で読んじまえ(児童文学なんだし)。そしたら、どうせアメリカ語なんて読めないんだからガッカリもしないだろ! そうだそうだ!

というわけで、買ってみました。

A Wrinkle in Time
A Wrinkle in Time (Madeleine L'Engle) Yearling Books

出版は1962年(邦訳は1965年…40年前ですね(^^;))。
買ったのは1993年の復刻版です。
復刻版が出るくらいですから、アメリカでも読み継がれているんですかねぇ。(著者は数々の文学賞を受けている。20年前に死去)

Wrinkleというのはドモホルンリンクルのリンクルで、皺です。「時の皺」というのはつまり、ワープとか亜空間航法とか、そういう手法を使って時空に皺を寄せるように端折り、遠い異世界で邪悪なものに囚われているおとーさんを救いに行く話なのです。
(テーマは当然、愛です)

ほぉー。
そんな話だったかぁ。
まったく、筋のすの字も覚いていませんでした。
胸ときめいた「メガパーセク」のくだりもものすごくアッサリしていて(てゆーか1行)。
登場人物のリンカクも全然違う(邦訳ではカットされていた人物もいるらしい)。
しかも完結していない(笑)(4部作の第1作なのでした)。
原書に当たるというのは、おもしろいねぇ。(←少し、意味が違う気がする)

ま、なんだかんだ、楽しいひとときではありました。

ひととき?
いや、買ったのが4/21。読了が9/4。寝る前にベッドで開くもんだから、多くてもひと晩に数ページというペース。4カ月半だよ(orz)。

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Comments

ああ自分にとっての「マルチンのはつめい」みたいなもんですね。原書はドイツ語...無理だって。
そうだねぇ。
この本でも、「他人と同じことが幸せだろうか」とか「親と子のすれ違い」とか読み応えのあるくだりが出てくるんだけど、児童文学もちゃんとしたのは大人も唸らせるメッセージ性を持っているわけですな。
 児童文学も息が長いようでいて、一方で平気で絶版するのって、結構ショックですね。全国の図書館の片隅にひっそりいるんでしょうけれども。

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