Haretara Yamaasobi

さて、なぜ、Uターンなのであるのか？

だいたい歳とるとクニが懐かしくなるんですよ。
出身地は某・北海道の山(夕張である)。
ガッコ出た後、それなりに憧れて出てきた都会・東京だけども、今はそれほど魅力を感じていない。

その昔、受験の時にやって来たのが東京との初顔合わせであった。

泊まった旅館(確か秋葉原)では、朝、目覚めると真っ暗で面食らった(雨戸というものが閉まっていたのである)。
その雨戸を開けると、景色は「隣のビル壁」。都会の朝は、まだ夜のエネルギーが冷めていなかった。
山手線とかに乗って窓外を眺めていると、いつまで経っても都会が終わらない。
ある街角で、「中古モーターボート店」なんていう信じられない店を見た。
新宿の裏町を歩いていると、いきなり後ろから殴られそうな“殺気”を感じる。

・・・と会社の先輩に話すと嗤われたけど、それもこれも、田舎出のセーネンには新鮮だったのさ。

今はとうに、そういう新鮮さは失われ、東京ももう飽きたなあ、よくない場所だなあ、田舎がなつかしいなあ、とばかり思うのである。

だって、夏、暑いし。
知事は変な人だし。
食べ物はまずいし。
どこかへ遊びに行った帰りには、家に近づくほどに渋滞するし。
養老さんじゃないけど「脳化」が進んで、・・・まあ人のことは言えないが・・・リアリズム(人間的体験)から遠くなって行くし。

そんなこんなで、そろそろ東京はイイか、と。

Uターンを志すモチーフは、そんなところなわけです。