栄養学をカジってみる
「戦う身体をつくる アスリートの食事と栄養」 田口素子他 (ナツメ社)
どっちかというとジュニアや現役のアスリート向けの実践本なので、オレみたいに手っとり早くウンチクを知りたいヤツ向きではないかも知れない(半分はオケージョン別のレシピだし)。
ただ、中でも非常に納得だったのは、
- 基本的な栄養は、サプリメントなどを利用しなくても通常の食事でまかなえること
- 運動後すぐに糖質を摂るのは吉であること(そういえばサッカー代表監督のザッケローニ氏は、試合後のロッカールームにオニギリ(イタリア時代はパスタだった)を用意させているという)
- 外食・中食を必ずしも否定しないこと(一辺倒ではいけないが、料理を準備する時間や手間を考えればメリットも多い)
などで、要するに必要な栄養素、タイミングや量についてバランスのよい食事をすべきという教えなのである。
「身近なスポーツ栄養学」 大村条子 (朝日ソノラマ)
内容的には上記とカブっているが、なにしろ1995年の書物。1995年というとオレなんかつい先日のことのように思えるが、指折り数えてみると15年以上経っている(笑)。
単に出版年が古いというだけではない。乳酸の説明(クエン酸サイクル)やリンの功罪(特に“罪”の方…摂り過ぎるとカルシウム吸収に難が出てくる)、多価不飽和脂肪酸(善/悪コレステロールの取捨)に触れられていないなど、最新の知見が反映されていないように思える。きっとカラダに関する知識って、とても高速に更新されているのではないか。
裏を返せば、最新の知見も何年か経つと一気に古びてしまう可能性がある、ということですな。
「山で食べる (ヤマケイ登山学校)」 小池すみこ (山と溪谷社)
んでまぁ、これは山での食事(エネルギーを効率よく摂取するとか、翌日に疲れを残さないとか)についての実践的な書物。
せいぜい1泊2日の山行しかしていないオレ(たち)なので、ここに書かれていることをあれやこれやと試してみようとは思わないけど、チーズや高野豆腐や各種ドライフード(特に野菜・海藻系)は持ってってみようかなと思った次第。
しかしこれも95年の本。著者の山姿はジャージだったりする…(^^;)。
(2011/3/11追記)
「アスリートのための 食トレ 栄養の基本と食事計画」 海老久美子 (池田書店)
ほんで、新しいところも読んでみた(2010年8月刊)。
成長期にあるアスリート(とその保護者・指導者)を対象に書かれたようだけども、運動と栄養の関係が過不足なく網羅されているように感じる。
中でも、読み飛ばそうと思っていた巻末の「食材100選」は、例えば「鮎は内蔵も食べると栄養価が飛躍的にアップ。アスリートなら、頭と骨だけが残る食べ方で攻めたい」とか、「セロリの美味しさに気付くと、アスリートの食生活は一気に広がる」などユーモアを含んだ文章とも相まって面白く読めた。(その後に続くレシピは読み飛ばしたけど(^^;))
(2011/4/10追記)
「健康づくりと競技力向上のための スポーツ栄養マネジメント」 鈴木志保子 (日本医療企画)
学校や社会人のチーム等で栄養のマネジメントにどう取り組むかという本だったので(実際に大学等の教科書として使われている本かも)、趣味でスポーツを楽しむオレら自身の栄養について学ぼうという立場からは、あまり関係のない本だった。
それでも3章の「栄養補給」セクションには面白いことが書いてあり、いわく、ある人のエネルギー消費量を正確に算出するのはほぼ不可能である(従ってエネルギーや栄養の必要量を正確に見積もることもできない)とか、筋グリコーゲンは、運動後のたんぱく質摂取の如何に関わらず24時間後には回復するとか、新たな勉強になる(というか、混乱のもとになる(^^;))ことも書いてある。
ところで、姪っこがいま札幌のT大学で栄養学を学んでいる。こういう勉強をしてるんだろうなぁ。面白そうだねぇ。
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