貧困大国への道
貧困ビジネスという言葉があって、貧困層に物を買わせようとする商売を言うのかと思っていたら(狭義のマーケ語としてはそういうのもある)、貧困層そのものを食い物にするビジネスが存在する。サスガ、アメリカは進んでいる。
「ルポ 貧困大国アメリカ」 堤未果 (岩波新書)
アメリカ合州国で経済弱者と言われる階層をたんねんに追ったルポ。サブプライムローンや医療問題の“被害者”たちのつぶやきから、現代アメリカの病巣をかいま見ようという本である。
金融や保険、政治的支配層など、ごく一部の金持ちがもっぱら自らが儲けるために陰に日向に運動しているさま(中でも、貧困層を狙って…いやむしろ作り出して、イラクやアフガンで必要な「人手」をビジネスにしようとするカラクリ)が瞥見できて、たいへん気分が悪いとともに、怖い内容になっている。
一部の役人が私腹を肥やして國民生活を圧迫している國なんてダメだ、「小さな政府」や「規制緩和」が必要だとこれまで考えて来たんだけど、一部の大金持ちが政策を歪めて(公的予算の削減や規制緩和である)国民生活から搾取するようになった国もある。
ミキタニ富豪あたりが規制緩和を叫び、「公用語はアメリカ語」と嬉しそうに(残念そうにならまだわかるが)宣言をしているのを見るにつけ、もう日本もこの病魔に襲われているのだな、と思わずにはいられない。
たまたま参院選もあっていろいろ考えたけど、その考え方がガラリと変わってしまうほどの衝撃をこの本から受けた。
Comments
Posted by ピエール at 2010/07/18 05:38
ピエールさん、コメントありがとうございます。
実は、話が凝縮されてるだけなんじゃないの?という気もしたのですが、リスクが隣に住んでいるくらいの感じなんですかねぇ。
怖いですねぇ。
Posted by H氏 at 2010/07/22 11:34