十勝岳-富良野岳ツアー(2)
さて、二日目である。
シュラフの中で時計を見ると、予定(予想)より20分ほど遅い4:50であった。
「さあっ」、とばかり気合いを入れてテントのジッパーを開けると、目前には驚きの夜明けの風景が待っていた。
空は快晴、雲海から太陽が昇る。昨日登った十勝岳がシルエットになって浮かび上がる。
黄土色から赤へ、やがて金色へと劇的に変化する色に見とれた。
ふと振り返ってテントを見ると、フライシートについた水滴が凍って白くなっていた。
シュラフの中で時計を見ると、予定(予想)より20分ほど遅い4:50であった。
「さあっ」、とばかり気合いを入れてテントのジッパーを開けると、目前には驚きの夜明けの風景が待っていた。
空は快晴、雲海から太陽が昇る。昨日登った十勝岳がシルエットになって浮かび上がる。
黄土色から赤へ、やがて金色へと劇的に変化する色に見とれた。
ふと振り返ってテントを見ると、フライシートについた水滴が凍って白くなっていた。
朝っぱらからしっかりチカララーメンを喰らい、テントを撤収し、6:40出発。
ちょっと登って稜線に立つ。正面に何か見える…ブロッケンだ。ガスの中に、自分の影が後光を差したように浮かび上がる。「ガス、太陽、見る私、の3つが揃って初めて見える」とカミさんがなかなか絶妙なことを言う。
今日はよい景色が見られそうだ。
と言いつつ、避難小屋からはいきなりの直登なのである。二日目朝イチの体にはきつい…かと思われたが、まずまずの体調で登り切る。上ホロカメットク山(1,920m)である。
山頂の標識を見ると、「上ホロカメ(改行)ットク山」って書いてある。名前の切り方、違うと思うんだけど(笑)。(参照)
この山頂からは360°の眺望である。後ろには十勝岳、そして正面にはこれから目指す富良野岳(写真)。もう、呆れるほど爽快。
ただし、あそこへ行くまでにはまだ距離があるし、上富良野岳(1,893m)や、3つの山が連なる(ということは少なくとも3回、大きなアップダウンがある)三峰山(さんぽうざん:主峰が1,866m)を越えて行かねぱなのだ。
写真は、その三峰山のたしか最初の(最西の)山。この辺から、ハイマツが見られるようになってくる。
遙か彼方に見えた山も、歩いていれば近づいてくる。やっぱり凄いな、人間。
ここを下り、コルを過ぎ、十勝岳温泉からの登山道とぶつかるところまで来た。
ここで重荷をデポし、ほぼ空身で富良野岳を目指す。
これまで登山客とは数えるほどしか行き会わなかったが、十勝岳温泉から登ってくる人の数が目立って増えている。登山道にも立派な木階がしつらえられている。それだけ訪れる人も多いということだろう。
富良野岳への道すがら、振り返ると北側(十勝岳温泉側)から猛然とガスが吹き上がっている。向かって右が雄大な山塊の風景、左は真っ白。雲が山を越えられず、雨(雪)を降らす…という説明がコトバ抜きで納得させられる、これまたダイナミックな光景なのだった。
約40分で富良野岳(1,911.9m)山頂。
この山には一等三角点があり、その点名を「神女徳岳」という。徳舜瞥-ホロホロのケースと同様に、山名の混乱が残っているのね。
恒例の?標石にタッチ。
その真っ白い方に目を向けると、背後からの日を受けてまたブロッケンが見られた。写真では日暈だけだが、中央付近に目を凝らすと“後光”がうっすらと見えた。
荷物のデポ地点へ再び戻ったところで昼メシである。
いつものアルファ米なのだが、今回様子が違うのは、それがちらし寿司であること。アルファ米でちらし寿司とはなぁ。どんな味がするんだろう。お湯を入れ、ちょっとどきどきしながら待つこと15分。
そういえば明日は敬老の日だし、母の誕生日も近い。ちらし寿司で前祝いだ。本人あずかり知らぬことだけど、おめでとう、いただきまーすってことで(どんなじゃ)、パクっといくと意外にイケた。山行に酸っぱいものは合うもんね。
先ほど北側から襲いかかっていたガスが立ちこめて来て体が冷えるので、そそくさと下山を開始する。
すれ違った人から、天気予報によると今日1日大丈夫そうだと聞いていたが、山の天気はわからん。もっとも下界まで降りればフツーに曇りなのかもね、とか言いながら下る。ま、あとは基本下るだけなので気分もラクだ。
黒岳などの方面では紅葉が盛りらしいが、こちらはまだハシリというところ。もっと赤が広がればさらに素晴らしいんだろうね。
13:50、十勝岳温泉・凌雲閣の駐車場に到着。7時間余と予定よりちょっとかかったけど、いやー、よく歩きました。満足度ゲロ高のいい山行であった。
ところで駐車場を見ると、昨日の早朝とは打って変わったすごい大混雑。そりゃシルバーウィークで紅葉のシーズンだもんな、観光地としてピークタイムなんだろう。後で見ると、ずっと下まで路駐のクルマがつながっていた。
ヤマ屋とおぼしきお姐さんから、「縦走ですか? 熊とかどうでしたか?」と訊かれる(場違いくさい大荷物を背負ってるせいだ)。特に痕跡や気配はなかったですねぇと答えたが、もとよりたまたま2日間歩いただけなんでわかりませんて。
自転車のデポ地点までたどり着いた。自転車も人間も無事で再会を喜ぶ。
ほっとするのもつかの間、最後の大仕事が待っている。吹上温泉まで約5km間を、今まで使ってない筋肉をいきなり使って走らねぱならぬ。おぢさん頑張る。
途中までは下りだから快調に飛ばすが、残り1kmの上りがまさに苦行。それでも約15分で走った。今日一番の達成感(^^;)。
クルマも一応異常なく、凌雲閣に取って返してひとっ風呂浴びる。
ここの泉質は、成分表はナトリウムナントカ泉となっていたが、赤色した鉄泉なのである。白い手ぬぐい、一瞬で真っ茶色。
施設も古くてナンダカナァってなところだったが、体がぽかぽかとあったまっていい湯だった。とにかく一泊二日のアカを流せてサッパリ(幸)。
[行程]
●一日目:赤
吹上温泉8:15--(4時間50分)--十勝岳13:05--(1時間25分)--上ホロ避難小屋14:30
●二日目:青、チャリ走行:緑
上ホロ避難小屋6:40--(25分)--上ホロカメットク山7:05--(1時間15分)--三峰山8:20--(2時間)--富良野岳10:30--(3時間30分)--十勝岳温泉13:50
歩行距離:約17.7km
[服装メモ]
●ベースレイヤー(ロンT)+インナー(高機能ポロ)+ソフトシェル
●CW-X+トレッキングパンツ
●レインウェア
●夜は3シーズンシュラフ+シュラフカバー(寒くはないが足がちょっとしゃっこかった)
*
帰路、富良野は北の峰に立ち寄って、近ごろ名物化を仕掛けている富良野オムカレーを食す。ふらの牛乳がついているのがポイントとか。
スパイシーで旨かった。
(富良野スキー場、25年ぶりくらいかな)
20:00頃自宅に着き、安着のビール1本で爆沈。
ああ、実にいい二日間だった…zzz。
ちょっと登って稜線に立つ。正面に何か見える…ブロッケンだ。ガスの中に、自分の影が後光を差したように浮かび上がる。「ガス、太陽、見る私、の3つが揃って初めて見える」とカミさんがなかなか絶妙なことを言う。
今日はよい景色が見られそうだ。
と言いつつ、避難小屋からはいきなりの直登なのである。二日目朝イチの体にはきつい…かと思われたが、まずまずの体調で登り切る。上ホロカメットク山(1,920m)である。
山頂の標識を見ると、「上ホロカメ(改行)ットク山」って書いてある。名前の切り方、違うと思うんだけど(笑)。(参照)
この山頂からは360°の眺望である。後ろには十勝岳、そして正面にはこれから目指す富良野岳(写真)。もう、呆れるほど爽快。
ただし、あそこへ行くまでにはまだ距離があるし、上富良野岳(1,893m)や、3つの山が連なる(ということは少なくとも3回、大きなアップダウンがある)三峰山(さんぽうざん:主峰が1,866m)を越えて行かねぱなのだ。
写真は、その三峰山のたしか最初の(最西の)山。この辺から、ハイマツが見られるようになってくる。
遙か彼方に見えた山も、歩いていれば近づいてくる。やっぱり凄いな、人間。
ここを下り、コルを過ぎ、十勝岳温泉からの登山道とぶつかるところまで来た。
ここで重荷をデポし、ほぼ空身で富良野岳を目指す。
これまで登山客とは数えるほどしか行き会わなかったが、十勝岳温泉から登ってくる人の数が目立って増えている。登山道にも立派な木階がしつらえられている。それだけ訪れる人も多いということだろう。
富良野岳への道すがら、振り返ると北側(十勝岳温泉側)から猛然とガスが吹き上がっている。向かって右が雄大な山塊の風景、左は真っ白。雲が山を越えられず、雨(雪)を降らす…という説明がコトバ抜きで納得させられる、これまたダイナミックな光景なのだった。
約40分で富良野岳(1,911.9m)山頂。
この山には一等三角点があり、その点名を「神女徳岳」という。徳舜瞥-ホロホロのケースと同様に、山名の混乱が残っているのね。
恒例の?標石にタッチ。
その真っ白い方に目を向けると、背後からの日を受けてまたブロッケンが見られた。写真では日暈だけだが、中央付近に目を凝らすと“後光”がうっすらと見えた。
荷物のデポ地点へ再び戻ったところで昼メシである。
いつものアルファ米なのだが、今回様子が違うのは、それがちらし寿司であること。アルファ米でちらし寿司とはなぁ。どんな味がするんだろう。お湯を入れ、ちょっとどきどきしながら待つこと15分。
そういえば明日は敬老の日だし、母の誕生日も近い。ちらし寿司で前祝いだ。本人あずかり知らぬことだけど、おめでとう、いただきまーすってことで(どんなじゃ)、パクっといくと意外にイケた。山行に酸っぱいものは合うもんね。
先ほど北側から襲いかかっていたガスが立ちこめて来て体が冷えるので、そそくさと下山を開始する。
すれ違った人から、天気予報によると今日1日大丈夫そうだと聞いていたが、山の天気はわからん。もっとも下界まで降りればフツーに曇りなのかもね、とか言いながら下る。ま、あとは基本下るだけなので気分もラクだ。
黒岳などの方面では紅葉が盛りらしいが、こちらはまだハシリというところ。もっと赤が広がればさらに素晴らしいんだろうね。
13:50、十勝岳温泉・凌雲閣の駐車場に到着。7時間余と予定よりちょっとかかったけど、いやー、よく歩きました。満足度ゲロ高のいい山行であった。
ところで駐車場を見ると、昨日の早朝とは打って変わったすごい大混雑。そりゃシルバーウィークで紅葉のシーズンだもんな、観光地としてピークタイムなんだろう。後で見ると、ずっと下まで路駐のクルマがつながっていた。
ヤマ屋とおぼしきお姐さんから、「縦走ですか? 熊とかどうでしたか?」と訊かれる(場違いくさい大荷物を背負ってるせいだ)。特に痕跡や気配はなかったですねぇと答えたが、もとよりたまたま2日間歩いただけなんでわかりませんて。
自転車のデポ地点までたどり着いた。自転車も人間も無事で再会を喜ぶ。
ほっとするのもつかの間、最後の大仕事が待っている。吹上温泉まで約5km間を、今まで使ってない筋肉をいきなり使って走らねぱならぬ。おぢさん頑張る。
途中までは下りだから快調に飛ばすが、残り1kmの上りがまさに苦行。それでも約15分で走った。今日一番の達成感(^^;)。
クルマも一応異常なく、凌雲閣に取って返してひとっ風呂浴びる。
ここの泉質は、成分表はナトリウムナントカ泉となっていたが、赤色した鉄泉なのである。白い手ぬぐい、一瞬で真っ茶色。
施設も古くてナンダカナァってなところだったが、体がぽかぽかとあったまっていい湯だった。とにかく一泊二日のアカを流せてサッパリ(幸)。
[行程]
●一日目:赤
吹上温泉8:15--(4時間50分)--十勝岳13:05--(1時間25分)--上ホロ避難小屋14:30
●二日目:青、チャリ走行:緑
上ホロ避難小屋6:40--(25分)--上ホロカメットク山7:05--(1時間15分)--三峰山8:20--(2時間)--富良野岳10:30--(3時間30分)--十勝岳温泉13:50
歩行距離:約17.7km
[服装メモ]
●ベースレイヤー(ロンT)+インナー(高機能ポロ)+ソフトシェル
●CW-X+トレッキングパンツ
●レインウェア
●夜は3シーズンシュラフ+シュラフカバー(寒くはないが足がちょっとしゃっこかった)
*
帰路、富良野は北の峰に立ち寄って、近ごろ名物化を仕掛けている富良野オムカレーを食す。ふらの牛乳がついているのがポイントとか。
スパイシーで旨かった。
(富良野スキー場、25年ぶりくらいかな)
20:00頃自宅に着き、安着のビール1本で爆沈。
ああ、実にいい二日間だった…zzz。
Comments
今年は夏山ゼロな我家。雪山で苦労しそうです。
縦走って、日を追うごとに足がラクになるから不思議です。
Posted by 秋 at 2009/09/22 20:02
しかしゼロとは残念だねー。
Posted by H氏 at 2009/09/22 20:19
足手まとい必須だけど雪山はご一緒したいでござる。
Posted by (8) at 2009/09/24 00:54
冬は待ってるよん。
Posted by H氏 at 2009/09/24 09:37