少女小説?
たまさか(また)凄みのある書評を読んで興味惹かれたので、初めて読んでみた。
「スミヤキストQの冒険」や「大人のための残酷童話」は読んだような気もするが記憶が定かではない。
倉橋由美子の名前くらいは知っていて、コウドセイチョーというかゼンキョートーというのか、そういう世代、つまりちょっとお姉さんが読んでいたような本だろう。
読んでいて何となく思い浮かばさったイメージは、子供のするどい…というか病的な感性を肥やしにしてニョキニョキと無秩序に成長し、茎にナイフを入れると血がほとばしる植物、であった。
その異様な植物がいわばフツーの結末を迎えることや、オレがかつて上京したてだった頃の新宿や渋谷辺りの饐えたような空気感、そのゼンキョートー世代のおじさんおばさんの体臭のようなものも含めて、その世界観というかテーマは、結構理解できないでもない。
(好きか嫌いか、と問われれば、東京の子の文化みたいのがキライなので嫌いである)
解説(文庫本だから解説が載っている)ではちょっと浮かれたげなオサーンが「重要な少女小説」とか書いているのだが、これは少女小説というふうにレッテルを貼る必要のない小説だと思う。
で思ったのは、こういう本を今の若い人が読んだらどう感じるだろうか、ということだ。
ここに描かれているような秘すべき内面(罪悪感?羞恥心?)は、今はすごく希薄になっているか、ひょっとしたらもう無いのではないかと思うので、だとすると「まったくカンケーない」と言われそうだ。
それとも我々が感じるようなことを同じように感じるのだとすれば、この小説にも時代を超えたある種の切実が含まれているということになる。
どっちかな?
訊いてみたい気もするが、実際に訊いてみることはないだろう。
倉橋由美子の名前くらいは知っていて、コウドセイチョーというかゼンキョートーというのか、そういう世代、つまりちょっとお姉さんが読んでいたような本だろう。
「聖少女」 倉橋由美子 (新潮文庫)
読んでいて何となく思い浮かばさったイメージは、子供のするどい…というか病的な感性を肥やしにしてニョキニョキと無秩序に成長し、茎にナイフを入れると血がほとばしる植物、であった。
その異様な植物がいわばフツーの結末を迎えることや、オレがかつて上京したてだった頃の新宿や渋谷辺りの饐えたような空気感、そのゼンキョートー世代のおじさんおばさんの体臭のようなものも含めて、その世界観というかテーマは、結構理解できないでもない。
(好きか嫌いか、と問われれば、東京の子の文化みたいのがキライなので嫌いである)
解説(文庫本だから解説が載っている)ではちょっと浮かれたげなオサーンが「重要な少女小説」とか書いているのだが、これは少女小説というふうにレッテルを貼る必要のない小説だと思う。
で思ったのは、こういう本を今の若い人が読んだらどう感じるだろうか、ということだ。
ここに描かれているような秘すべき内面(罪悪感?羞恥心?)は、今はすごく希薄になっているか、ひょっとしたらもう無いのではないかと思うので、だとすると「まったくカンケーない」と言われそうだ。
それとも我々が感じるようなことを同じように感じるのだとすれば、この小説にも時代を超えたある種の切実が含まれているということになる。
どっちかな?
訊いてみたい気もするが、実際に訊いてみることはないだろう。
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