<< 最近のニュースから | main | つくられたエコ >>

2008/06/26 木

ケータイ世界の子どもたち

日本は、子供のケータイ利用が世界で最も進んでいる国、らしいです。

一方で、そんな“先進国”でありながら、ケータイを巡る事件へのケアの方がさっぱり先進していないのはなぜなんでしょうか。
ケータイ世界の子どもたち (講談社現代新書 1944)
ケータイ世界の子どもたち」 藤川大佑 (講談社現代新書)

「学校裏サイト」に代表されるいじめや誹謗中傷、アダルトや暴力との接触、個人情報の不用意な遺漏、フィッシング・不正請求・援交・誘拐・殺人などさまざまな犯罪の温床…。

こういうスレットだけでなく、近ごろの事件や違法行為にケータイが絡むケースが本当に多くなっています。

でももちろん、「ケータイがあるから事件が起こる」と考えるのは短絡でしょう。ケータイは、いわば触媒か狂言まわしに過ぎないのです。

「悪いサイト(大人)が多い」「親の目が届かない」「社会的に運用ルールが定まっていない」など、ケータイ環境自体の不備も確かにありますが、根底にあるのはなんといっても基礎コミュニケーションの崩壊ではないでしょうか。

本書でも、ケータイの健全な運用には

「親子であらかじめこうした問題について話し合っておき、何かあったときに子どもが話せる信頼関係を築くことを目指すとよいでしょう。」

と言っていますが、それがとっくに失われていることがそもそもの問題です。
ケータイだけを取り出して論じてもしょうがないんです。

粗有無省やメーカーによるフィルタリングへの取り組みや地域のセーフティネット(子供を「暖かく」監視する)とかいうテクニカルな対策は進められているようですが、意味がないとは言いませんが、そういう問題ではないと思います。

Trackback URL


Comments

この著者、友人です。
同じギョーカイということでしょうか。
でもよかった、貶した記事じゃなくて…(笑)。

Comment form