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2008/06/13 金

緊急読書「官僚国家の崩壊」

参議院で「問責決議案」が可決され、衆議院で「内閣信任案」が可決された。どっちも茶番だけど、民意がどこにあるかは首相もわかってるんだから応えるべきだろう。

(以下長文)
しかし民主党も攻め手がない。材料はいっぱいあるハズなのに、攻められないのはなぜなんだろう。党首が見かけ倒しなのは明らかだし(だって表で政策論争も所信のアピールもせず、裏でエラソウにしているだけじゃん)、党内が全然結束していないからなんだろうね。

「中央公論」誌で例の前原氏が「仮にこのまま民主党が政権を取っても大変です。」と自党を公然と批判し(参照)、同僚から「退場勧告」を受けたりしているらしい(参照)。ちなみにたむたむというのは自民党の人。

民主党は明確なイデオロギーを持たず、闘論の先頭に立とうともせず、本当にやる気があるのだろうか?

自民党政権にはもう我慢がならないけど、民主党に任せるのも不安だ。そんな国民感情は、まったく田原総一朗さんも指摘する通りだ(参照)。

でも一方で自民党も揺らいでいる。改革を強力に推進しようとする人と守旧派(守益官僚派というか抵抗勢力というか)の両方が存在する。…歴史的に存在し続けてはいるようだけど。

前原氏ばかりでなく、みんないったん離党でも席替えでもしてこれまでの自民党・民主党の枠組みを見直す時なのではないか?

*

まあそんなことを思っている折も折、田中秀征さんが一冊の本を推奨してくれている(参照)。

官僚国家の崩壊
官僚国家の崩壊」 中川秀直 (講談社)

中川氏は小泉・安倍政権で政調会長や幹事長を務めた人なので、本来ならフツーにスルーなのだが、秀征さんの奨めならと、またテーマが面白そうだと思って読んでみた。

(政治家の本というのは、(もちろん本人が書いたわけじゃなかろう)独特の抽象さと牽強付会…喩えの強引さがあって鼻につくんだけど)

中ダルミはあるが、基本は書名の通り官僚国家を糾弾する内容である。

「国益より省益」、「官尊民卑」(←一発変換)、「天下り先づくりで出世」というキーワードがまず提示される。
組織防衛…身内の理論が官僚をダメにした。ダメといいつつ優秀なヒトビトなので、政界、メディア界、業界に地雷原を張り巡らし、自らを浸食する者を排除しようとする。
この社会悪を制御するには、公務員制度改革、道州制の導入、そして各省庁ごとにある設置法の廃止である。

そして政治主導にならなければならぬ、そこには日本の「20年後」を語る大戦略がなくてはならぬ。

おおむねそのような内容である。
(とくに「道州制」と「設置法」のくだりは勉強になる)

うーん、割といいコト言ってるんじゃん?

*

この本を誉める秀征さんも、政界引退状態だが「“第三局”に向けた胎動」がウワサされる人だ。

本日現在のWikipediaにこうある。

朝日新聞紙上において、「(現職)政治家の政界再編成予想図」で、唯一、非議員でありながら田中秀征氏の名が、第三局の中心として大きく取り挙げられていた。政界引退こそ表明していないが国会の活躍の場から「身を引いて」10年以上たった今でも「政界再編の政治家」として取り挙げられる人物は、歴史を振り返っても同氏以外いない。常識ではありえない小泉・細川極秘対談を唯一セッティングできる可能性があるのは同氏しかいないと言われており、巷をにぎわせている「第三局待望論」が渦巻く昨今、様々な憶測を呼んでいる。

この一文に限ってちと生臭い気がするのはともかく。
中川氏との“関係”というほどかはわからないが、この辺の機微は興味深い。

今後数カ月、ひょっとしたらコマカイ政局ではなく本当の政策闘争が見られるかも知れない(見たいものだ)。

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