スーパー創論
「日本スーパーマーケット創論 内食提供ビジネスのマネジメント」 安土敏 (商業界)
著者はサミットストア(現サミット)興隆の立役者で、食品流通業界の偉い人。
まず、スーパーマーケットとは何か?を「具体的に」定義する。
スーパーとはつまり、「住環境の近くにあって普段のおかずをワンストップで提供する」社会的機能である。
定義(共有できる旗印)ができると、仕事のカンどころが見えてくる。
すると、
・「安売り」の誤解を解け
・「職人」を排除せよ
・「本部」と「店舗」の役割を知れ
などの課題が、テクニック論ではなく浮かび上がる。
これら課題に沿って、「頭」はどう創る、「骨格」はどう、「神経系」はどう…と説き明かしていくのがつまり「創論」です。
明解、かつ爽快。
テクニックよりも目的・使命がわかると仕事が俄然面白くなる、という好例ですね。
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もっとも、これらのプロセスのあらかたは、実は日頃の仕事で目にしています。
クライアントC社です。
98年頃に破綻の危機を迎えたが、「おいしいお店」のコンセプトを掲げ急回復。全国関連組織の店舗事業のお手本となるまでになっています。
「破綻の憂き目」が、考え方と組織を一つにまとめた結果でしょうね。
ではこのV字回復の先をどうするか?
この書が示唆しているような“原点”(もしくは正論)を今後も見つめ、愚直にブラッシュアップし、心を合わせていけるかが問われるんだと思います。
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