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2008/01/04 金

少女的なるもの

あー、そういやぁ、中学から高校にかけての時代だったか、少女マンガをよく読んだっけなぁ。

いや、妹のを掠めたとかではなくて、毎月ちゃんと自分で買って読んでいた。特に「別冊少女コミック」。萩尾望都さんですよ、竹宮恵(現・惠)子さんですよ、以下(敬称略)、倉多江美、山田ミネコ、名香智子、佐藤史生、樹村みのりといった書き手が好きだった。

あれはなんだったんだろうか。
「少女」の純化された心象風景…のようなものへの憧れのようなものだったか。
そんなキレイキレイなものはありはしないのだということを知るのに大して時間はかからなかったけど(笑)、この本を読んで、久々にそんなアヤウイ感覚を思い出した。
(ちなみに著者はオレと同世代の人だ)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
西の魔女が死んだ」 梨木香歩 (新潮文庫)


たぶん、青少年文学の傑作である。

ファンタジー小説かと思ったらそうではない。
西の魔女とは、主人公まい(女子中学生)の、西の方に住むおばあちゃんのこと。
まいは、現実世界のあんなことやこんなことがイヤになって、喘息や不登校を患い、おばあちゃんの家に寄宿することになる。

そこで「魔女の手ほどき」を受けることになるのだが…。

自然のディテイルや、人生をうまく過ごすためのコツの描写が素敵だ。
なにより、今まで読んだどんなお話でもお目にかかったことがない結末にびっくりする。

かつて少女的なるものだった人、または、に憧れた人は読んでみるといい。なにか心を揺さぶられるに違いない。

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Comments

小樽の児童文学セミナー(河合隼雄氏が関わっていた)での受賞作ね。ファンタジー と思ったけど。

さすがまとめ方が的確。いやHYさんのですけれど・・
分類的にいうと、ファンタジーって妖精や(ほんとの)魔法が出てくるものなんでね。
オレは、この本はそういうたぐいではないと読んだわけなんだけど…。

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