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2007/12/30 日

北海道弁

いやいやいや、大したいいから禁断の全文引用してしまうべや。

食堂の先客数人は、帰郷した友人を囲み酒を飲んでいた。遅れて加わった人が開口一番「いやいやいやいや」。迎えた側も四回の「いや」で返す。笑顔が広がった▼久しぶりだね、元気だったかい。そんな会話が「いや×四」で済んでいる。弾む会話は何の話か「どこだって買うにいいべ」「なんも。高くて買えれないのさ」。一杯機嫌もあって、つい北海道弁が使わさるようだ▼年の瀬の店内に飛び交う「私がた」の言葉。よく使ったちっちゃこいときを思い出し妙な満足を覚える。したけど、おがってからは遠ざかった。恥んずかしくて。内地の人にはあやつけて、いいふりこかないばない▼もっと盗み聞きしていたかったが、先に店を出た。コートに寒気が入り込む。北海道は内地より冷える。帰郷した人の防寒着は大丈夫かな。まかなってから外に出る方がいいよ。方言の親近感は、そんな思いも生む▼道民は灯油の高値に困っている。暖房を抑えるのはゆるくない。正月ぐらいは暖かくなければ。その願いは「だはんこき」だろうか。どこにどこに。あずましくないっしょや。冷えれば肩こって、体もこわくなるし▼職場に届いた読者のメールに「ほんずない人たちがこの国を握っている」とあった。ほんずない人とは、ぼんやりした人、抜けた人の意味か。んだんだ。家でばんきり外套(がいとう)着て手袋はいてなんか、いられないんだわ。

卓上四季 北海道新聞

方言てホントいいよね。
地元の生活、心情、思想…云々を表現できる細やかさがあります。
こういう昔ながらの言葉が、東京偏重とTV隆盛のせいでどんどん失われていくのは、寂しいとかいうよりも日本の損失だと思いますね。

高校3年くらいの時に、卒業して東京へ行った先輩が夏休みに戻って来て、言葉が全然違うのに愕然としたことがあります。(特に、しゃべる途中にやたらと「××でさ~」の「さ~」が入るのが凄い違和感だった)

オレ自身も長く東京で生活して札幌に戻った時に、やっぱそう思われるのかな~なんて心配していたら、いやいやこれがまた。ほとんどみんな東京ナイズされてるもんだから、逆にまた愕然としてしまいました。

言葉の危機が、地元の危機だと思いますねぇ。

TVはいい加減にやめて、もっと家族や友達としゃべるべし。
  • 「買うにいい」…買うのに都合がいい、買える
  • 「使わさる」…自然と使ってしまう、の意だが、そう言ってしまってはニュアンスが出ない
  • 「私がた」…私たち。やや丁寧語、もしくは敬語。「先生がた」「あんたがた」
  • 「したけど」…だけど
  • 「おがって」…成長して、大きくなって
  • 「あやつけて」…かっこつけて。「言いがかりをつけて」の意に使うこともある
  • 「いいふりこかないばない」…いい格好をしなければならない
  • 「まかなってから」…身繕いをしてから
  • 「ゆるくない」…ラクではない、大変だ
  • 「だはんこき」…だだをこねる者、わがまま
  • 「どこにどこに」…どうしてどうして
  • 「あずましくない」…落ち着かない、収まりが悪い、居心地が悪い(翻訳できない言葉の代表格)
  • 「こわくなる」…だるくなる、疲れる
  • 「ばんきり」…ずっと、いつもいつも
  • 「手袋はいて」…そう、手袋は穿くものです。

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Comments

あー っ 懐かしいね~。
「ゆるくない」「あ~こわいこわい」などは、使ってるよ~。「てぶくろはいて」「ごみなげ」だって普通でしょや!。
すっかり東京レディーだと思っていた私ですが。
最新ゲーム機(?)Wiiにチャレンジ中、
「ヘンなボタンが押ささった!!」と、大騒ぎ。
興奮すると、ポロリ出ちゃう・・・

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