<< (2)がんばる連チャン | main | 60年代のパウダーシーン >>

2007/11/24 土

ホロカメットク

上ホロカメットクの雪崩は大惨事になってしまった。
なくなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

*
大量降雪直後の入山ということで非難の声は高まるかも知れないけど、われわれからしたら「ベテランでも巻き込まれるのだ」という事実以外に教訓はありません。
心するのみであります。
*
ところで、TVでニュースを見ていると「ホロカメットク(NHK)」、「ホロ・カメットク」、「ホロカ・メットク」と三様の言い方があり、気になる。語源はなんなのだと調べてみた。

結論から言うと、定説はないようだ。

私のバイブルである「北海道の地名」には、なんと記載がない。

手元にある本で語源に言及しているのは「新・分県登山ガイド北海道の山(山と渓谷社)」くらいで、「ペナクシホルカメトットゥク(あと戻りする川の奥にある山の川上側)」とある。ペナクシ(川上側の)、ホルカ(あと戻りする川)はわかるが、メトットゥク(奥にある山?)がわからない。

ネットで調べてもあまり目ぼしいのがないが、こちらのページでは、道庁20万図(明治期の測量地図)に「kamuy-horka-mem-etok」との表記があるということで、興味深い。神-戻ってくる川-湧水池-先端(源流?)…と思うとつながっているようないないような?

(こちらのページでは「ペナクシ…」は下ホロカメットクに宛てられている。pena-は、むしろ上流の-のことだと思うので、「上」が上のことだとすると、ちょっと変だ)

定説はなさそうなので勝手な思いこみだが、ホロカに注目すれば(ではどの川がホロカなのだ?という問題は措いといて)、「上ホロカ・メットク山」でいいような気がする。敢えて切らなくてもいいのではあるが。

ちなみにhorka(ホロカ)というのは要は川が蛇行していることで、故郷夕張にもシホロカベツ(本流の-蛇行して戻ってくる-川の意)という川があって馴染み深い単語だ。

Trackback URL


Comments

占冠村開拓民の2代目の父は、「カミホロカメトック」と呼んでいたなあ。
もっとも、地元の人は「シムカップ」を「シメカップ」と呼んでいたし、勝手にアイヌ語を読み替えるのであてにはならないのだけど。
はじめまして、アクセス解析でこちらにたどり着きました。
こちら読みまして、改めて自分のページとデジカメに撮ってきた道庁20万図の画像を確認しました。お察しの通り、ワタクシが写し間違えました。下ホロがパナクシで上ホロ・境山?がペナクシです。直しておきます・・・m(_ _;)m.

メットクはmetot[山奥]で訳す例が多いようですよ。これだと「メトッ」しかないですけど。
あまいものこ様、わざわざありがとうございます。

なるほど、metot山奥ってありますね。深山幽谷みたいなニュアンスらしいけども。「メトットゥク」ならmetot-tukとか…? いや、シロートなのでやめときます(^^;))

結局和人が聞いた音写だし、時間とともに変わってるはずだし、しかもそもそもどの地点の名前だったかがわからなくなっている…アイヌ語地名は難しいですね。
metot-tukですが、horkaが地名で使われる場合、あくまで自分が通路として使っていると向きが逆になるという視点があるらしいですよ。単純に「反対の」というhorkaの意味では尾根tuなんかもhorkaなものがあってもいいような気がしますが、尾根はヤブ漕ぎしなければならないので現代人は遊びの山登りで安全のために使いますが、昔のアイヌはそれでは時間がかかりすぎて使っていたら生活できなかったのではないかと思います。だから沼とか川とか以外ではhorkaを見かけないのかもしれません。
自分も専門家でないので怪しいですが。でもシロートと自称される方が増える中で人間全体として興味が高まって、中から学術的にも出来る専門家が育っていくのではないかと思います。興味を持ってあれこれ考えることは決して悪いことではないと思いますよ。
慰めていただいてすいません…(^^;

尾根は、おっしゃるとおり生活とはあまり関係ないですもんね。「戻ってくる」というほど明確な地形も多くはないでしょうし。
冬道で、雪崩の危険がある時に、彼らはどうしていたんでしょうね…。

Comment form