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2007/06/23 土

フカーツ

札幌交響楽団の記念すべき500回定期に行ってきました。
指揮・尾高忠明、曲目はマーラー・交響曲第2番ハ短調「復活」。楽しみな反面、この大曲をどうこなすのだろうかとドキドキハラハラでこの日を迎えました(笑)。

(以下長文)
喉が乾いていたので、札幌コンサートホール(Kitara)に着いたらまず冷たいものでも飲みたいと思いました。
中庭のカフェテリアが開いていたので、オレンジジュース400円を頼んだのですが、釣り銭がなくNG(ぉぃ)。でもラウンジのドリンクサービスの方が安かった(300円)のでよかった(笑)。

ロビーでは、ウェルカム・クワイヤーとでもいおうか、合唱団の一部が歌っていました。いいサービスですねぇ…。

さて、S席はいい場所が残っていなかったので、今回はA席を取りました。左側真横の2列目です。
この席は指揮者の横顔や、バンダ(舞台裏の別働隊)が演奏する時にソデのドアが開いたり閉まったりするのが見れたり(ある意味興ざめでもあるのですが(笑))するのが面白い反面、弦・管・打が独立して聞こえるのでちょっと違和感があります。音響がいいせいも逆にあるのかな。

なにしろ大曲です。演奏者はプログラムで数えてみると113名(1/3がエキストラ)。これに指揮者、ソリスト(ソプラノ、アルト)、合唱団(もちろん札響合唱団だけでは足りなくて、札幌アカデミー合唱団、札幌放送合唱団、それにエキストラで、180名くらいいるようです…いわゆる後部P席全部を占めています)、さらにパイプオルガンまで加わって、総勢は300名になんなんとする規模。
Kitara大ホールが2,008名(合唱団分差し引くと1,800名余)収容ということは、客6名に対して演奏者1名、という贅沢なコンサート、と言ってもいいでしょう。

最大時にはホルン10本、トランペット8本なんていう構成じたい、見ものですからね。

さて演奏は。
いや素晴らしい、の一語でした。

第一楽章のハチ切れるような緊張感。中間緩徐楽章やスケルツォの軽くも麗しい響き。終楽章の巨大な総奏。そして、前回も書きましたが全編をちゃんと流れている音楽。横顔で見るとまるで花王の月みたいなアルトのお姐さんの深い声も素晴らしかった。

この曲、派手で一見わかりやすくて効果的に思えるけど、実はすごい難しい曲ではないかと思う。下手に演奏すると、たぶん全体のまとまりがすぐに崩壊して、何やってんだかわからなくなるんじゃないんだろうか。確かな解釈と指導力が要求されるだろう。
尾高センセイ、この辺をキッチリと構成していて、実にいい曲に仕上げてくれたと思う。

敢えて不満をいえば、マーラーってもっと、くそアクが強い作曲家だと思うんだけど、演奏がキレイすぎて、そのアクは表に出ていないような気はした(札響に限らず日本人では難しいのかもしれない)。札響の澄明な響きは、ドイツよりやっぱシベリウスとかかもなー。次はシベリウスがかかったら聴きに行こうっと。

それはともかく。
CDなどを聴いているだけではよく見えないバンダの意図や、1楽章と2楽章の間(作曲者が「5分以上休みをおくこと」と指示している(参照))をどう演出するのか、というあたりも含めて、大いに楽しませてくれました。

札響大丈夫なの?なんていうエラソウな心配を、いい意味で裏切ってくれましたね。こんな演奏聴かされたら、ハマっちゃいます。
札幌はいい財産持ってるよ~、ほんとに。

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